BLWって何?
今回のテーマはずっと書きたかったBLWについて。
『「自分で食べる!」が食べる力を育てる~赤ちゃん主導の離乳(BLW) 入門:ジル・ラブレイ+トレーシーマーケット著/坂下玲子監訳・築地誠子訳』という本を引用、参考にしています。
まず、BLWとは、Baby-led-weanningの略称で、赤ちゃん主導の離乳(離乳食)という意味です。
日本では逆の親主導の離乳食が一般的。
すり潰したおかゆ(10倍粥)などを親が決めた適量でスプーンで食べさせることが多いです。
赤ちゃんは口を開けてそれを食べるだけ。
BLWはこのやり方とは正反対です。
食べ物を選び、つかんで食べるまで最初から最後まで全て赤ちゃんが主体で行います。
わたしたちは赤ちゃんに食べ物を与えることばかり語るが、BLWで実際にしているのは「提供する」ことである。赤ちゃんの手の届く範囲にーお母さんやお父さんのお皿かテーブルかハイチェアのトレイにー適切な大きさの食べ物を置いて、それでどうするかは赤ちゃんに決めさせる。赤ちゃんはそれで遊んだり、落としたり、塗りたくったり、口に持っていったりするが(ただ匂いを嗅ぐだけかもしれない)食べるか食べないかを決めるのは赤ちゃんだ。
『「自分で食べる!」が食べる力を育てる~赤ちゃん主導の離乳(BLW) 入門:ジル・ラブレイ+トレーシーマーケット著/坂下玲子監訳・築地誠子訳』
BLWは日本の離乳食のつかみ食べをイメージしよう
日本ではBLWという言葉より、つかみ食べという言葉が多く使われていると思います。
BLWと手づかみ食べの違いは時期といえるでしょう。
手づかみ食べはうっすらと歯が生え始めてモグモグごっくんができるようになった生後8〜9ヶ月頃からスタートすることが多いです。
(歯がほとんどなくても飲み込みやすい、柔らかい野菜スティックやおやきなど)
しかしBLWは離乳食を始めてからがスタート。
いきなり食べ物を手に握らせることから離乳食が始まるなんて…!
知ったときは衝撃でした。
BLWのメリットとは?
そんな衝撃から始まったBLW。
一体どんな良い面があるのか、参考文献から引用してみました。
楽しめる
『「自分で食べる!」が食べる力を育てる~赤ちゃん主導の離乳(BLW) 入門:ジル・ラブレイ+トレーシーマーケット著/坂下玲子監訳・築地誠子訳』
食べる量と速さを自分で決められれば食事はもっと楽しいものになる。
家族と一緒に食事する
同じものを食べ、家族の団らんに加わるーこれは赤ちゃんにとって楽しいことであり、食事中のテーブルマナーなども身につきやすい
家族とは別に赤ちゃんに食事を与えることにすると負担が大きい
本物の食べ物について学ぶ
さまざまな食べ物の外見、匂い、味、舌ざわりを知り、異なった風味のものがどのように作用し合うのかについても学ぶことができる。
スプーンで与えられると数種類の味のものが裏ごしされて1つになってしまう。
安全に食べることを学ぶ
食べ物を口の中に入れる前にじっくり調べることができる。また食べ物を噛んだり口の中で移動させたりする練習もできるので、スプーンで与えられるだけの赤ちゃんよりも食べ物の扱い方が早く上手になる。
言語能力、消化能力の向上にも役立つ
食欲をコントロールする
BLWの赤ちゃんは「満腹をしっかり認識できる」という研究報告がある。
手と目の強調運動と手指の巧緻性を向上させる
柔らかいものを握りつぶさずにつかみ、すべりやすいものを落とさずにつかむ方法を考え出す。
自信がつく
簡単な(そして節約)料理ですむ
赤ちゃんの偏食と食事中の争いがない
赤ちゃんを尊重するBLWは何をたべ、いつ食べおえるのかを自分で決めさせるので、嫌いなものを食べさせるために赤ちゃんの気を引く必要はない。
外食が楽にできる
ピューレをあらかじめ用意したり温めたりする面倒もない。
BLWのメニューは?
BLWの月齢ごとの食べ物をご紹介します。海外の食べ物を例にしているのであまり日本食向きではないかもしれませんが、大きさなどは参考になるかと思います。
6~8か月 大きめのフィンガーフード(縦5センチ、横1~2センチ)
『「自分で食べる!」が食べる力を育てる~赤ちゃん主導の離乳(BLW) 入門:ジル・ラブレイ+トレーシーマーケット著/坂下玲子監訳・築地誠子訳』
例:細長い形をしたやわらかい肉、野菜、果物、オムレツ。肉やレンズ豆のハンバーグ。小粒の柔らかいもの(イチゴなど)
7~9か月 上記と同様。生のパプリカのようなさくさく、ポリポリしたもの。
8~10か月 米、エンドウ豆、レーズンなど。
※食器を与えてみるといい。(フォークを突き刺したりスプーンを食べ物に浸して楽しめる)
9~12カ月 さまざまな形と舌触りをもつ健康的な多種多様の食べ物。
11~14か月 健康的な食べ物なら何でもよいが、さまざまな形、舌ざわり、味を持つ食べ物を加えること。
どうでしょうか?
後半は健康的であれば何でもいい!という、日本の離乳食教本と比較するとかなりざっくらばんな内容(笑)
生のパプリカは日本ではあまりなじみがないと思いますが、例えばきゅうりなどを代わりにあげてみるなどしてもいいかもしれません。
※アレルギーなどにはじゅうぶん注意して与えてください。
バナナは皮つきで与える⁉
また、参考にした本を読んで個人的に驚いたのは果物の与え方について。
赤ちゃんがつかみやすいようにたいていの果物と野菜の皮は残しておくといいー少なくとも赤ちゃんが嚙み切れるようになるまでは。(以下略)
なんと赤ちゃんが持って食べやすいように、よく洗って皮は残しておいたほうがいいとのこと。
それは日本でもしょっちゅう食べるあの果物も同じ。
バナナも皮つきで与えるお母さんやお父さんが多い。
赤ちゃんが皮を噛んでもいいように、まず皮を洗い、それからバナナが手から3センチはみ出るように切るーアイスクリーム・コーンのように。
赤ちゃんの能力がもっと発達したら皮なしのバナナを食べさせてみよう。
握りつぶさないためにはどれくらいの力で握ればいいのかがわかるようになる。
離乳食時期、バナナは皮をとって与えるのが日本ではスタンダードだろうと思います。
しかし、バナナは柔らかいためどうしてもぐちゃーと潰れたりあかちゃんが握りつぶしてしまうことが多いです。
皮が持ち手についていれば、つぶれづらく赤ちゃんにとっては確かに握りやすいのではないか。
このやり方は目から鱗でした。
離乳食時期からずっと握りつぶされ続けてきたバナナ。
皮つきで食べやすくするという斬新なやり方で試してみたかったな~と思います。
皮の剝き方も早いうちにマスターしそうですね☆
我が家もBLWに挑戦するも苦戦⁉
我が家は次男まるくんが7ヶ月くらいのときにこのBLWを知りました。
つかみ食べはまだ早い時期だけど少し握らせてみようかな。
そう思い、炊飯器と一緒に煮込んだ人参や大根をスティック状にして持たせてみました。
握ってはくれましたがぐちゃぐちゃにされました。
そして少し口に入れてもぐもぐしていましたが途中でえづいてしまいました。
窒息しそうでやっぱり怖い…。そう思ってBLWを本格的にやることをそこで諦めてしまいました。
しかし、えづくというのは子どもにとっては自然な反射行為。
そうした経験を積んでどれくらいなら口にいれるかを学んでいくので、しっかり様子を見ながらもっと挑戦しても良かったなぁと今では思います。
日本では離乳食後期からの手づかみ食べが多い?
1歳近くなると歯が出てくる子も増えてかむ力や握る力も上達していき、つかみ食べも徐々にできるようになっていきます。
まるくんやぴーも1歳前頃になると、つかみ食べができるようになり、エジソンのつかみやすいスプーンを使って自分で徐々に食べられるようになってきました。
その頃にBLWのような素材の味を手づかみ食べさせるのが一般的かなぁと思います。
(日本の一般的な離乳食指導もそんな感じ)
実際に自分が離乳食をあげていても、つかみ食べがメインだとかなり気力がいるなぁと思います。(ポイポイ捨てられたり汚れたり)
離乳食をきっちり作るのも大変ですが、手づかみ食べは健康面で少し気になるなぁという印象。
柔らかいドロドロした離乳食は食べやすくパクパク食べてくれるかもしれませんが、手づかみ食べは何だこれ?とにぎにぎしたりなめたりポイしたりと最初は実験感覚であまり食べない可能性が高く、栄養をきちんと取れてるかな?と心配になりそうです。
そうした不安がある方は従来の離乳食のやり方でやりつつ、つかみ食べできそうなときに茹でた野菜スティックやバナナなどを持たせてみるといいと思います。(手間はかかりますが…)
また、つかみ食べ用の食べ物を用意する余裕がない方は赤ちゃんせんべいもおすすめ。
ぐちゃぐちゃにしても大して汚れないですし成分はほぼお米なので安心。準備も楽で手軽につかみ食べができます。
どんな人がBLWに合っているのか?
つかみ食べは手先をよく使うことで脳が発達するなど最近推奨されてきてると思います。
しかし、日本では離乳食の基礎編が終わったあとにやるのが一般的。
ドロドロしたスプーンで食べる離乳食+別でつかみ食べの材料を用意するのはなかなか手間。
外国のBLWはふりきって最初からつかみ食べ!どんどん行け、精神で、なんだか自由でかっこいいなぁと思います。
一見楽なように見えて、赤ちゃんが好き勝手汚せる環境を整え、栄養ある自然の食べ物を用意するのもなかなかスキルがいるなぁと思います。
赤ちゃんが全く離乳食を食べない…。
そんな悩みを抱えている方は思い切ってBLWを試してみてもいいと思います。
ドロドロの物より固形が好き。
自分で手を使って食べてみたい。
そんなタイプの赤ちゃんもいると思います。
また、私も最初の何回かで挫折しましたが、続けていくといずれは自分で食べるのが上手くなっていくと思います。
栄養云々はおいといて、自ら楽しんで食べ物をとり食べる習慣を身につけさせたいという気持ちがある方や、赤ちゃんが自分で食べたい!という意思がみえてきた場合はBLWのはじめ時かもしれません。
逆にスプーンなどで食べさせて順調にたくさん食べているお子さんで、親が負担を感じる場合は無理してBLWをしなくても全然問題ないと思います。
我が家の1歳頃のつかみ食べは?
ここからは我が家の離乳食(つかみ食べ)について紹介します。
ドロドロ離乳食拒否から始まった、何でもお焼き作戦!
長女のちゃんしのは1歳頃から偏食が出てきて柔らかい離乳食を食べてくれなくなりました。
ある夜、やけくそになってまるまる残った具だくさんお味噌汁に片栗粉を入れて固めて焼いたときがありました。
それを与えると不思議とパクパク食べてくれて驚いた記憶があります。
そこから我が家では基本何でもお焼きにしてつかみ食べさせていました。
我が家のBLWメニュー。(幼児食)
我が家で定番の簡単に作れる離乳食後期から食べられるお焼きメニューを紹介します。
かぼちゃのお焼き。
かぼちゃは基本的に市販のカット済みの冷凍を使います。
サランラップでくるんでレンジで3分ほどチン。
その後棒などでぐちゃぐちゃにして、お好みで味付けをします。
我が家ではてんさいから作られているオリゴ糖をよく入れています。
お好みで牛乳や豆乳を足しても美味しいです。
かぼちゃを解凍するとパサツキが出ることがあるのですが、牛乳などを足すと柔らかくなるのです♪
その後、片栗粉を混ぜます。
(多めだとカリッとした食感が増します)
フライパンに手やスプーンで適当に成形したかぼちゃの片栗粉あえを並べ焼きます。
ちなみに、バターで焼くととても美味しいです!
(焦げ付きやすいので基本はサラダ油で焼いて少しバターを足すのもおすすめ)
裏面が焼けてきたらひっくり返し、表面も焼きます。
(火は常に弱火で。蓋を使うと中までしっかり火が通りやすいです)
最後に中火で焦げ付きに注意しながら焼くとカリッとした美味しいかぼちゃお焼きの完成です。
お弁当のおかずの一品にもなりますよ☆
じゃがいものお焼き
かぼちゃをじゃがいもに変えてじゃがいもお焼きにしても美味しいです。
じゃがいもはカットして、レンジの根菜モードで蒸します。
味付けは塩や青のり、焼くときはバターを混ぜると最高。
かぼちゃお焼きと同じで片栗粉を混ぜ合わせます。
市販のミックスビーンズなどを混ぜても彩りがよく、コリコリした芋と豆が合って美味しいですよ。
※初めてのお焼きや、まだ1歳になっていないお子さんは豆をいれると食べづらくてあまり食べてくれないかもしれません。
つかみ食べ以外の取り分け離乳食は「とろみの素」を混ぜるだけ?
我が家で最近つかっている混ぜて熱をとおすだけのとろみの素はこちら。
コープなどで購入できるとろみちゃんもおススメです。
我が家では8か月頃からはほとんどとりわけ離乳食も行っていました。
わざわざ赤ちゃんのご飯を作らず、家族と同じメニューで、食べられそうなものだけを取り分けて提供。
そのときにとってもお世話になったのがこちらの調味料。とろみの素!!
(とろみちゃんなども有名ですよね)
取り分けたものを小鍋にいれてとろみの素を混ぜて少し煮ると、一瞬で立派な離乳食の完成です。
わざわざお湯で片栗粉をといたりする必要もなし!
BLWの共通点の家族と同じ食べ物で栄養を取れる点はとても良かったです。
まんきちのつぶやき。
2人目、3人目で憧れはありつつ結局できなかった、イギリス発祥のBLW。
もし機会があれば(笑)次はやってみたいなぁと密かに思ってます。
また、やってみたい!という方はぜひ赤ちゃんの発達にも良い可能性があるので挑戦してみてください♪(感想とか知りたい)
BLWは逆に負担がかかるな…という方は全然やらなくてオッケー。
結局1歳過ぎるとつかみ食べさせてなくても、自分でしたい!と主張するようになってきます。そのときにたくさんさせてあげればじゅうぶん。
しかも、栄養あるごはんを大人しくスプーンで食べてくれてる時期は短いので、今のうちにたくさん大人が与えたほうがいい!という考えもあると思います。
もしいまスプーン拒否が始まって離乳食に悩んでる方は方法の1つとして是非試してみてください。
子どもによって家庭によって合う合わないがあり、結局はその子の特性によってBLWをするのかしないのか選択されていくべきなのでしょう。
日本でもBLWについての知識がこれから広まっていくと思います。
今回の参考文献はこちら↓↓
詳しいレシピがついたタイプの本もおすすめです♪
皆さん、大変ですがともに育児がんばっていきましょう。
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